『オーバーヘッドキャスティングとは性質がまったく異なる』スペイキャスティング。
『まるで神社のお払いみたい!?』または『剣道で相手の竹刀を払ってメンを打ち込むときみたい!?』
上手に投げないと『お払い効果』で魚も逃げていなくなりそうです(苦笑)
最近しばしば耳にする『スペイキャスト』なる言葉。フライフィッシングにおけるキャスティング方式のひとつで、古くは英国の大西洋鮭釣りで使われていた技であるそうです。広いバックキャストスペースが必要ない、慣れてくると40メートルは軽く飛んでいくなど実践における利点は多く、今日では西欧の鮭釣りの主流となっている模様です。日本ではこの数年一部のフライマニアの間で流行しはじめているそうですが、一般にはまだまだ浸透していない模様です。そしてなぜか『スペイキャスト』という言葉だけが一人歩きをはじめ、中には『テンカラでスペイキャストはできるんですか?』なんて言うヒトまで出てくる始末です。また、湖などでスペイキャストらしき投げ方でフライフィッシングを行っているヒトをたまに見かけますが、ラインで湖面をばっちゃんばっちゃん叩きまくっているのが印象的で、傍目から見たかぎりでは魚を散らしているとしか思えず、ぶっちゃけ率先してやってみようとは思っていませんでした。しかしまだまだ謎めいた部分が多く、本当に上手なヒトが投げるとどうなのか、また自分で投げてみてどうなのかを確かめる必要があると思っていた矢先、こんなイベントが転がり込んできました。

受け付け風景です。
当日の参加申込は90人に達し、会場となっている多摩川河川敷は大賑わいでした。実はワタシ、前夜かなり遅くまで電話の応対をしたあとウェーダーの修理に手間取りすっかりオネボーさんをしてしまいましたA(^^;
現地に到着したときはすでにプログラムの半分程度が終わっていましたが、それでも十分に楽しめました。

各メーカーのツーハンド・スペイロッドが勢ぞろいしていました。私は、片隅のブースにあったバンブーロッドのシングルハンド#5、#6、#7、#9を代わる代わる投げては取り替えの繰り返しをして遊んでいました。バンブーロッドのビルダーはクリハラロッドの『栗原博行さん』です。ティップが少し柔らかく、バットがしっかりしていて#6ぐらいまでなら持ち重りもなく、実に素直なアクションでノーストレスの快適なキャスティングが楽しめました。

白川さんのワンショットです。
前夜遅くまで仕事のうえ早朝からの準備作業でちょっとお疲れモード。メーカーの方たちも休日返上&手弁当で駆けつけてきてくれた模様です。このあとCNDの野寺さんと一緒に川に入り、スペイキャスティングを楽しんでいました。

白川さんのスペイキャスト風景です。
『スペイキャスト』は『ロールキャストの変形』と見て『あんなのロールキャストに毛が生えたようなもんだろ?』と言い、ガンコにシューティングヘッドのシングルハンドオーバーヘッドキャスティングばかりやっているヒトもいるみたいですが、そんなヒトに限ってスペイキャストを一度もやったことがなかったりします。私が実際にスペイキャストをやってみた感想は『ロールキャストの変形とは全くベツモノ』で、真っ先に思い浮かんだのは『神社のお払い』でした。何でも自分で実際にやってみないとわからないですね。もちろん私の場合、スペイロッドを振るのは初めてなので今後実践に通用させるための練習が必要ですが・・・。
上手なヒトが投げるとアンカーを打つときに水面を叩く音も聞こえず、一つ一つの挙動がスムーズで実に優雅なループを描き、シュート時は三角形にとがった鋭いループで遥か彼方まですっ飛んでいきます。CND野寺さんのすばらしく鮮やかなスペイキャスティング。なるほどこれでわかった。今まで私が見てきたスペイキャスティングは、スペイキャスティングでありながらスペイキャスティングではなかったのでした。何事も先入観だけで物事を決め付けるのは良くない習慣ですね。もちろんテンカラの道具でスペイキャスティングをやるのは無理がありすぎるでしょう。なぜならば、テンカラで使用しているラインはアンカーが打てるほど重さのあるものは使われていないし第一竿の長さに対してラインが短すぎる。しかしながら『スペイキャスト』という言葉が、テンカラ愛好者にまで響いているという事実は、それだけ毛ばり愛好家に注目されつつあるという裏付けであるとも言えるでしょう。

土手ではネコがのーんびりと毛づくろいをしていました。
