フライフィッシングは本当に紳士的か?

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自分自身が釣り人のひとりでありフライフィッシャーのひとりであるからに、このような自虐的な話題からは目をそむけ、口を閉ざし、厳しい意見には耳をふさぎ、もう少し釣りの楽しさであるとか、フライフィッシングの楽しさとかを語りたいのは山々なのですが、でも何かこう、周囲が全く見えない、自分達の客観的な位置がわからず自画自賛的で考え無しのオメデタイ人になってしまうのが嫌なので、あえて考えたいと思います。

唐突な件名ですが、結論から言うと『以下の条件下に限り全般的な方向性は合っていると思うが、本質的には釣りのマナーにおいてタックルの括りはありえない』ということです。

以下に条件を示します【釣りにおけるヒエラルキー】

■下図の左側について
西欧では、ルアーやエサ釣りは "Coarse fishing" (庶民の釣り・下品な釣り) と呼ばれ、フライフィッシングのみが "Game fishing" として認知されています。ルアーやエサ釣りを好む人が読んだら怒り出すかもしれませんが、あくまでも西欧でのお話です。古くは王室や貴族階級など領地をもつ人たちが自分達の領地でやった遊びだった模様です。で、そのような西欧の文化という背景をもつフライフィッシングですが、日本ではその歴史的背景や見た目の優雅さだけがクローズアップされて、『カネモチの遊び』とか『キザなヤツがやる釣り』というレッテルを貼りたがる人も散見されますし、『フライフィッシング=紳士の釣り』という胆略的な思考で判断する人も見受けられます。

■下図の右側について
対して日本では、ルアーとフライが"Game fishing"として広く認知されており、テンカラとエサ釣りはひとくくりになっています。テンカラは "Game fishing"だと唱えているひともいるみたいですが、いくら唱えたとしても、現実的には釣具量販店ではテンカラ用品が置かれているのは「渓流エサ釣りコーナー」と相場が決まっています。よほどの零細店で無い限りフライ用品とテンカラ用品が店頭に仲良く並んでいるショップを見たことがありません。要するに、「テンカラ」という釣りは使う毛ばりや衣服などでいくらフライフィッシングの真似をしたところで、所詮渓流エサ釣りの延長線上にしか存在し得ないという厳然とした事実が存在しているんだから仕方がない。

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さて、好むと好まざるとに関わらず、そのような文化背景や業界構造をもつ現状をある程度把握したところで、本題に入ります。

『渓流エサ釣り師は乱獲ばかりしてどーしょーもない』
『渓流エサ釣り師はゴミを平気で捨てるのでどーしょーもない』
『テンカラは薄汚くて近寄りがたい』
『ルアーマンは遠くから自分のポイントに仕掛けを投げてくるのでムカツク』

で?
だから?
『フライフィッシャーはマナーが良い』
・・・の、でしょうか?

もしかしたら、西欧においてはそうかもしれません。でも、日本でフライロッドを振っている釣り人のうち、ほとんど全員が普通の人であり、王室でもなければ貴族でもないのです。通常であれば、エサ釣り⇒ルアー⇒フライ と、色々なタックルやフィールドを体験した後に、フライフィッシングにたどり着くという順序を経た上でフライロッドを振っている人が多いでしょう。フライロッドを手にした時には、その人は基本的な釣りのルールやマナー、渓流における遡行技術、先行者有無の判断、先行者に遭遇した時の身の振りかた、沢割りなど、乱獲しない、などの知識と経験は既に身につけているのです。
ですから、『フライフィッシャーはマナーが良い』といわれていた時代もあったかもしれません。

ところが、最近は『いきなりフライフィッシング』という人も増えてきました。そんな人が渓流に入ると概ね以下のような始末となります。

『リーダーの空袋から果てはウェーダーの底まで平気で捨てる』
『先行者を発見したら平気で頭をハネル』
『混雑したフィールドで、トナリの人をフライラインでけん制する』
『大きなプールの岸に色々なものを置いて占拠する』
『ヒトの狙っているライズに何本ものフライラインが集中する』
『魚が釣れたら岸に引き揚げ撮影し、よれよれになった魚を放り投げる』

・・・・・・某川で、そんなフライフィッシャーを何人も見てきました。
『な~にが、「フライマンはマナー良い」だよう・・・』
そんな思いを抱えながら数年過ごしました。


『本質的には釣りのマナーにおいてタックルの括りはありえない』

これだけは確かなことだと思います。エサ釣り師でもルアーマンでもテンカラ師でも、
スマートに釣りを楽しんでいるヒトは存在します。フライロッドを振っていても「最低!」と叫びたくなるようなヒトも存在します。要は「割合の多い/少ない」とか、「そのフィールドに集まるヒトの意識レベルが高い/低い」とかの問題ではないでしょうか?

まあそんな感じですが、みなさん事故やトラブルのないよう渓流シーズンをお楽しみください。(私は渓流には行かない予定だし行っても公開はしませんけど)

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