おいらのサイトでは「魚の棲む環境に配慮しながら、全ての魚をひとつの尊い命として考え大切に取り扱う。」釣り人を歓迎する方向性を掲げています。魚を「食べ物」や「遊びの対象」とだけ考えるのではなく、「生き物として尊重して、魚を取り巻く自然環境にも目を向けていく、魚が釣れても釣れなくても、まあどうでもいっか・・・。」
・・・そんな釣り人が一人でも増えてくれればという願いを込めてそのようにすることにしました。
上記は個人レベルの話しですが、国では数年前より環境省を中心として「 エコツーリズム推進会議」という組織が発足し、エコツーリズムの普及・定着のための検討が行なわれてきた模様です。
この3月、「エコツーリズム推進法案」が提出されたことがニュースとなりました。エコツーリズムとは、自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかたであるそうです。
日本の自然は日本国民共有の財産です。いま、日本の自然はどんどん壊されています。そんな自然を後世に残していくためには、厳重に守っていかなければなりません。しかし、自然が残されている地域に住む人々は、身の周りの自然を壊しながら生計を立てていかざるをえない状況となっています。
「自然は守りたい、でも自然を壊さなければ生活できない」このような、二律相反する課題を解決する試みのひとつとして、「エコツーリズム」が期待されています。
たとえば、自然環境を国宝や文化財と同様の扱いとして、一般の人の無闇な立ち入りを法律で禁じ、国宝の特別公開のように、期間や場所を限定して一般の人にも公開する。地域ではそれ自体が観光資源となり、活性化に貢献する。と、いうようなシナリオが作られている模様です。
もちろん、それぞれの地域にはそれぞれの都合があるでしょうから、杓子定規にシナリオどおりではなく、様様にカスタマイズされていくのでしょう。さらに利害関係も複雑に絡んでいるのでそう簡単にはことは運ばないでしょう。でも、以下のような効果が実現できるといいですね。
・エコツーリズムの効果
[1]環境保全:地域の自然環境・文化資源に対しては、それらの価値が維持されるよう保全され、または向上する
[2]観光振興:観光業に対しては、新たなニーズに的確に対応し、新たな観光需要を起こすことができる
[3]地域振興:地域社会に対しては、雇用の確保、経済波及効果、住民が地域に誇りを持つこと等により、地域振興につながる
もしかしたら近い将来、一般人立入禁止になる源流域も出てくるかもしれません。自然を守るにはそこに立ち入らないのが最も効果があるわけですから。
「釣りをやりたかったらコンクリートで囲まれた釣り堀でやるのが最も自然に優しい」という日がくるかもしれません。
今まで渓流や源流にゴミを捨て、ヤマメやイワナを乱獲し続けてきた先人たちが残した負の遺産を整理して将来の国民に素晴らしいものを残していくため、我々に課せられた課題ということになるのでしょうか・・・。
※くわしくは「環境省エコツーリズムのホームページ」をご覧下さい。
※以下は「エコツーリズム」のパンフレットです。




※本エントリーですが、エコツーリズム協会理事・笹山登生さんよりトラックバックを受信しました。
度重なるサイト再構築により、トラックバックは消失してしまいましたが、ここに記録を残しておきます。
以下は、コモンズ的視点を欠いたエコ・ツーリズムでいいのか?における笹山登生さんとのやりとりです。
このたびは、私の稚拙な見解に対し多大なる補足を頂きありがとうございました。大変勉強になります。う~ん、しかし色々難しい問題が山積みなんですね。
http://blog.mizunarano-mori.info/?eid=370681
コメント by 飲茶 -- 2006/07/01 土曜日 @ 21:27:51
飲茶さん。 こちらこそ、勉強になります。 飲茶さんのサイトの中の次の部分「「釣りをやりたかったらコンクリートで囲まれた釣り堀でやるのが最も自然に優しい」という日がくるかもしれません。」という部分は、最大の環境省さんが考えているエコツーリズムの概念に対するアイロニーのように感じられました。 今後とも、どろどろとした現場での相克の問題などについて、お教えいただけましたら幸いです。
コメント by Sasayama -- 2006/07/01 土曜日 @ 21:58:16
笹山登生様、早速ご返信いただきありがとうございました。
「どろどろとした現場での相克」ですか、せっかくの休日に「どろどろとした現場に首を突っ込んで気が休まらない」というのも、一介のサラリーマンとしては困ってしまうのですが、「心身のリフレッシュ」を目的として自然環境の中に身を置こうとすることにより、自然環境を取り巻く様様な人的な要因でかえってストレスを溜め込んでしまう、そんな状況でしょうか。
たとえば、それが「自然再生と地域活性化」のトレードオフの関係であったり、業界の扇動に乗せられた人々が、河川や山林に押し寄せ、山や川を踏み荒らしゴミを平気で投棄するようなことであったり、魚釣りの場合は、河川工事による河川環境の悪化や釣り人増加による乱獲に伴い、在来魚が絶滅の危機に晒される一方、釣り人の満足度向上のためのサービス?として、外来種や遺伝子操作された魚種を無造作に放流すること、「生物多様性」をキーワードとした外来種の放流に対する賛否両論が、表立ってあるいは水面下において激しく飛び交う現状だったりします。
「釣りに行って楽しかった」・・・ただ、それだけでは済まされない。性善説に基づき、自然環境に身を置こうとしている人々の「ルールやマナー」に依存するには余りにも頼りない、のっぴきならない現状がフィールドに広がっているような感想を持ちます。
「山山を踏み荒らし」「魚を大量に持ち帰り」「ゴミを平気で捨てる」アウトドア嗜好を唱えフィールドへ押し寄せる人々には、そんな方も大勢いらっしゃいます。だから法律で「入ってくるな!」とするのも一理あるような気もしますが、元々それらの資源を利用していた人々は困ってしまいます。
そんな現状打破のための試みの一環としての今回の立法措置なのでしょうが、一般の釣り人としては、「さてさてどうなることやら・・・」と、傍観するほかはありません。
勝手ながら、当サイトより笹山登生様のサイトへのリンクを張らせていただきました。
それでは、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
コメント by 飲茶 -- 2006/07/01 土曜日 @ 23:01:10
飲茶さん。 リンクありがとうございました。 早速、今朝ほどから、そちら様のサイトから、飛んでこられたかたも、あるようです。 今後とも、情報交換、よろしくお願い申し上げます。
コメント by Sasayama -- 2006/07/02 日曜日 @ 11:50:25
