吾輩は鱒である 第1章⑦

CA340042

我儘(わがまま)で思い出したからちょっと吾輩の川の監視員がこの我儘で失敗した話をしよう。元来この監視員は何といって人に勝(すぐ)れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。フライを巻いて鳥の羽根を机の上に並べたり、ルアーを投げてみたり、間違いだらけのブログをかいたり、時によると餌釣りに凝(こ)ったり、キャスティングを習ったり、またあるときはダブルハンドなどで水面をバチャバチャ鳴らしたりするが、気の毒な事には、どれもこれも物になっておらん。その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。河原の中でスペイを打って、近所でバチャバチャ先生と渾名(あだな)をつけられているにも関せず一向(いっこう)平気なもので、やはりこれは「リフト」「ボディターン」「ハーフサークル」「ドリフト」「シュート」を繰返している。みんながそら「アンダーハンド」だと吹き出すくらいである。この監視員がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後(のち)のある月の月給日に、大きな包みを提(さ)げてあわただしく帰って来た。何を買って来たのかと思うとてんから竿とレベルラインと逆さ毛鉤という毛鉤で今日からルアーやフライをやめててんからをやる決心と見えた。果して翌日から当分の間というものは毎日毎日河原で昼寝もしないでてんからばかりやっている。しかしその釣り上げたものを見ると何を釣ったものやら誰にも鑑定がつかない。当人もあまり甘(うま)くないと思ったものか、ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に下(しも)のような話をしているのを聞いた。

 

フライ地蔵

あまりにも釣れないため、ボーズを通り越してお地蔵さんになってしまいました.../(^o^)\ しかも、サカナが釣れない主原因は諸所の雑用が多くて、ほとんど釣りに行けないという.../(^o^)\

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