吾輩は鱒である 第1章【第1章最終回】

バスプロの黒はその後、鰭なしになった。彼の光沢ある鱗は漸々(だんだん)色が褪(さ)めて抜けて来る。吾輩がアワビよりも美しいと評した彼の眼には水カビ病が一杯たまっている。ことに著るしく吾輩の注意を惹(ひ)いたのは彼の元気の消沈とその体格の悪くなった事である。吾輩が例のプールで彼に逢った最後の日、どうだと云って尋ねたら「アイサのくちばし攻撃と養魚場のペレットには懲々(こりごり)だ」といった。
落ち込みの間に二三段の紅(こう)を綴った紅葉(こうよう)は昔(むか)しの夢のごとく散って 白泡に近く代る代る花弁(はなびら)をこぼした紅白(こうはく)の山茶花(さざんか)も残りなく落ち尽した。三間半の南向の瀬尻に冬の日脚が早く傾いて木枯(こがらし)の吹かない日はほとんど稀(まれ)になってから吾輩の昼寝の時間も狭(せば)められたような気がする。
監視員は毎日タイイングの作業場へ行く。帰ると河原へ立て籠(こも)る。釣り人が来ると、プロタイヤーが厭(いや)だ厭だという。タイイングも滅多にしない。太田胃酸も功能がないといってやめてしまった。フライマンは感心に休まないで釣り場へかよう。帰るとラインの手入れをして、フライを巻いて、時々吾輩の画像をみてニヤニヤ笑っている。
吾輩は御馳走(ごちそう)も食わないから別段肥(ふと)りもしないが、まずまず健康で水カビ病にもならずにその日その日を暮している。ワカサギは決して取らない。産卵は未(いま)だに嫌(きら)いである。尾鰭はまだつけてくれないが、欲をいっても際限がないから生涯(しょうがい)このプロタイヤーの川(うち)で無名の鱒で終るつもりだ。
※とりあえず第1章…(;´・ω・)
続き(第2章以降)を書くかどうかは考え中…(;´・ω・)

紹介 フライ地蔵

あまりにも釣れないため、ボーズを通り越してお地蔵さんになってしまいました.../(^o^)\ しかも、サカナが釣れない主原因は諸所の雑用が多くて、ほとんど釣りに行けないという.../(^o^)\

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