悪竿論-2

 然し、日本のフライマンは不幸であつた。なぜなら、日本のビルダーは愛竿を作る教育を受けないから。彼らは、パトロンに仕へ、得意客を育て、主として、出資者に孝に、上客に忠に、フライマンそのものへの愛情に就てはハレモノにさはるやうに遠慮深く教育訓練されてゐる。日本の国産ブランクスをロッドに、舶来品をサブロッドに、といふ世界的な説がある由、然し、悲しい日本のブランクスよ、彼女らは世界一のロッドであつても、まさしくフライマンが舶来品を必要とするロッドだ。日本人の蓄竿癖は野蛮人の証拠だなどゝはマッカな偽り、日本のロッドの型、ビルダー大学の猛訓練は要するにフライマンをしてロッドに満足させず、舶来品を買わずにゐられなくなる性格を与へるためにシシとして勉強してゐるやうなものだ。

 毛鉤業界このかた、日本には魚の持ち帰りといふものが封じられ、魚の持ち帰りは不義で、食欲のアヤマチなどゝ云つて、魚の持ち帰りの心情に対する省察も、食欲のアヤマチ以上に深入りして個別的に考へられたこともない。魚の持ち帰りに対する訓練がミヂンもないから、踊り串を刺して魚を焼くこともできず、それでいきなりリリース、自然保護とくるから、釣り人関係はオフ会だけで、まるでもう烏合の訓練を受けてゐるやうなもの、日本のフライマンは、わびしい。暗い。悲しい。

※画像はイメージです
※坂口安吾 悪妻論のパロディ

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紹介 フライ地蔵

あまりにも釣れないため、ボーズを通り越してお地蔵さんになってしまいました.../(^o^)\ しかも、サカナが釣れない主原因は諸所の雑用が多くて、ほとんど釣りに行けないという.../(^o^)\

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