悪竿論-5

 人間性の省察は、フライマン同士の関係に於ては、いはゞ鬼の目の如きもので、フライマン同士はいはゞ、弱点、欠点を知りあひ、むしろ欠点に於て関係や対立を深めるやうなものでもある。その対立はぬきさしならぬものとなり、憎しみは深かまり、安き心もない。知性あるところ、フライマン同士のつながりは、むしろ苦痛が多く、平和は少いものである。然し、かゝる苦痛こそ、まことのフライフィッシングなのである。苦痛をさけるべきではなく、むしろ、苦痛のより大いなる、より鋭くより深いものを求める方が正しい。フライマン同士は愛し合ふと共に憎み合ふのが当然であり、かゝる憎しみを怖れてはならぬ。正しく憎み合ふがよく、鋭く対立するがよい。

 いはゆる良竿の如く、知性なく、眠れる魂の、良犬の如くに訓練されたドレイのやうな従順なブランクスが、真実の意味に於て良竿である筈はない。そしてかゝる良竿の附属品たる味気ない釣りが、尊ばれるべきものでないのは言ふまでもない。フライマン同士の関係に平和はない。釣り人の人間関係には平和は少い。平和をもとめるなら孤独をもとめるに限る。そして坊主になるがよい。出家遁世といふ奴は平安への唯一の道だ。

※画像はイメージです
※坂口安吾 悪妻論のパロディ

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フライ地蔵

あまりにも釣れないため、ボーズを通り越してお地蔵さんになってしまいました.../(^o^)\ しかも、サカナが釣れない主原因は諸所の雑用が多くて、ほとんど釣りに行けないという.../(^o^)\

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