吾輩は鱒である 第1章⑯

昨夜(ゆうべ)は僕がタイイングを行って到底物にならんと思って、そこらに抛(ほう)って置いたのを誰かが立派な額にして欄間(らんま)に懸(か)けてくれた夢を見た。さて額になったところを見ると我ながら急に上手になった。非常に嬉 … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑯"

Read More

吾輩は鱒である 第1章⑮

プロタイヤーといえば吾輩の監視員も近頃に至っては到底(とうてい)タイイングにおいて望(のぞみ)のない事を悟ったものと見えて十二月一日の日記にこんな事をかきつけた。 ○○と云う人に今日の会で始めて出逢(であ)った。あの人は … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑮"

Read More

吾輩は鱒である 第1章⑨

これだけは誰が見ても疑うべからざる事実と思う。しかるに今監視員のフライを見ると、黄でもなければ黒でもない、灰色でもなければ褐色(とびいろ)でもない、さればとてこれらを交ぜた色でもない。ただ一種の色であるというよりほかに評 … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑨"

Read More

吾輩は鱒である 第1章⑧

「どうも甘(うま)く釣れないものだね。人のを見ると何でもないようだが自(みずか)ら竿をとって見ると今更(いまさら)のようにむずかしく感ずる」これは監視員の述懐(じゅっかい)である。なるほど詐(いつわ)りのない処だ。彼の友 … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑧"

Read More

吾輩は鱒である 第1章⑦

我儘(わがまま)で思い出したからちょっと吾輩の川の監視員がこの我儘で失敗した話をしよう。元来この監視員は何といって人に勝(すぐ)れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。フライを巻いて鳥の羽根を机の上に並べたり、 … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑦"

Read More

吾輩は鱒である 第1章⑤

吾輩がこの川へ住み込んだ当時は、監視員以外のものにははなはだ不人望であった。誰に釣られても舌打ちをされて相手にしてくれ手がなかった。いかに珍重されなかったかは、今日(こんにち)に至るまで尾鰭さえつけてくれないのでも分る。 … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章⑤"

Read More

吾輩は鱒である 第1章④

 吾輩の監視員は滅多(めった)に吾輩と顔を合せる事がない。職業はプロタイヤーだそうだ。仕事から帰ると終日河原に行ったぎりほとんど家にいる事がない。家のものは大変な釣りキチだと思っている。当人も釣りキチであるかのごとく見せ … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章④"

Read More

吾輩は鱒である 第1章③

ここへ這入(はい)ったら、どうにかなると思って堰堤の崩(くず)れた穴から、とある瀬尻にもぐり込んだ。縁は不思議なもので、もしこの堰堤が崩れていなかったなら、吾輩はついに河原に餓死(がし)したかも知れんのである。一樹の蔭と … Continue reading "吾輩は鱒である 第1章③"

Read More

渓流フライのトラウマ-その4

「ゴミ拾いのおじさん」 『本業でない人が深く入り込むとロクなことにならんですよ、そのロクでもないパターンが延々と続くのが遊びの世界の掟です。やりたいようにやればいいんですよ。』 これはとあるエキスパートの方からの助言です … Continue reading "渓流フライのトラウマ-その4"

Read More